世界各地の差別をなくし人権運動を高めようとする「世界ダリット会議」が福岡市内で開催されました。
ダリットとはインドの旧不可触民の事で、カースト制度(ヴァルナ・ジャーティ制)の外側に置かれ、インドのヒンドゥー教社会において最も差別をされてきた人々です。
インドを含む南アジアを中心にダリット(壊されし人びとの意)に対する差別は存在し、長い歴史のなかで「不可触・不浄」であるとされてきました。
人が嫌がる仕事を押し付けられ、住む場所や通る道、参拝寺院などの社会生活や政治や教育等においても上位カーストから分離されてきました。
現在でもインドの農村のダリット世帯では30%以上が貧困線以下の生活にあります。
ダリットに対する差別や偏見は現在も社会に根強く残っています。
差別撤廃を訴える「世界ダリット会議」では世界各地の差別の現状や人権運動に関する報告が行われました。
宣言では「人権保護に関する知的委員会をつくり、差別の根本的理由を確認することが課題解決につながる」ということ、インドで長年存在してきた「カースト制度」の外に置かれた最下層のダリットを含めた差別の問題を、国連の「持続可能な開発目標」といった政策文書に盛り込むことが重要だと指摘がありました。
また、「ソーシャルメディアを活用し、人権侵害の問題を公に発信する」ことなども盛り込まれました。
大島九州男は、開会式の挨拶で「武力に頼らない平和の構築をめざし、心を一つにして 差別・人権侵害の無い社会の構築を目指す。」事を誓わせて頂きました。
「世界ダリット会議」は23日まで福岡市で開かれ、差別解消を目指す決議宣言を同日採択し、閉幕しました。2日間の会期中、国内外から計約250人が参加しました。