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活動報告

2019-06-29 カテゴリー:

【特集②】動物愛護:杉本彩さんとの対談『いのちを守る』~ペット業界の闇に迫る・世論を変えていくために~

公益財団法人動物環境・福祉協会Evaの理事長を務めておられ、動物愛護活動に尽力されている杉本彩さんとの対談第2話になります。

第1話はこちら!

 

<話し手 :敬称略>
杉本 =公益財団法人動物環境・福祉協会Eva 理事長 杉本彩さん
松井 =公益財団法人動物環境・福祉協会Eva 事務局長 松井 久美子さん
大島 =大島九州男参議院員


<第2話>

大島
私、塾の先生だったんですね。私が全国を回っていて、いろんなふれあいの中で感じたことは、子どもたちにこういった話をすると、彼らもペットについて「ペットショップにいる可愛い生き物」というイメージしかないんですね。

杉本
それが当たり前だと思っているんですね。
そうやってこれまで見て、育ってきていますから。

大島
そうなんです。「売れ残る」といった発想、その先について僕らも考えたことがなかったんですよ。それで、今私は先生や子どもたちとのふれ合いの中で、「当然売れ残った犬いるよね。それを今、みんなで集めて育てている場所があるらしいよ」と。で、「もともと考えても5年10年それを続けていくことは難しいよね」と。

杉本
今行政の代わりにその不要犬、不要猫を引き取っているところが「引き取り屋」じゃないですか。今法律がもうスカスカといいますか、この「引き取り屋」自体を修正しようという風に言ってしまっていることが、ああいったものの存在をどうしても認めてしまっているという状況なんですよね。結局告発しても不起訴になってしまったりとか、しっかり法律で取り締まることもできていませんし、やはり生体展示販売というのはああいったものの存在なしでは成立しないってことが周知の事実じゃないですか。

大島
その周知の事実を知っている人は知っていますが、ほとんどの方が知らないですよね。

杉本
そうなんです。

大島
この「その先」の部分に思いを馳せれば、人は「それおかしいよね」「それはダメだよね」と考えるようになると思います。そこで、論理的な思考を積み立てていくと、行き場のないワンちゃんやネコちゃんを扱う業者の存在が浮き彫りになってくるんですね。
「ペットショップで売られてるワンちゃん可愛いよね」、「それはどこから来てるのかな」っていうと、アメリカの愛護団体は「工場」って言ってましたよ。工場から出てくると。じゃあそこでは、子どもを産ませるわけですから当然生殖活動をさせられる。で、全部売れるわけではない。じゃあ売れ残った子たちはどうなるのか。引き取られる子たちもいるが、殺処分される子たちもいる。「生産される」ワンちゃんやネコちゃんが増えているということは、売れ残る子も当然増えているはずなのに、どうして殺処分が減っているのか。そこで彼らの存在が出てくるわけですよね。輸入肉は減っているのに犬肉を扱う店は日本にもあり、それを食べる中国人などが増えている。

杉本
そうなんですよ。私もちょっと耳を疑うような情報を耳にすることがあります。

大島
この現実をみんなが知って、「それはひどくないか」という話になったとき、ペットショップで売れ残った子たちの方に意識が向くと思うんですね。そこまでいって、「じゃあこの生体販売は良くないんじゃないの」「規制しなければいけないんじゃないの」という世論を喚起することができれば。でもあまり表立って言うと、みんなが引いちゃうからマスコミが取り上げてくれない。

杉本
ちょっともう触れちゃいけない、タブー視される世界ですもんね。

大島
だから、他の人は扱わないんです。怖いから。
で、人がやらないから私がやる。

杉本
すごいですね。素晴らしい。

大島
やっぱり世論を高めていかなければならない。今杉本さんらが行っておられる活動は、動物たち、ワンちゃんやネコちゃんも含めて同じいのちとして大事にする教育を子どもたちに行っていくことですよね。動物の命を蔑ろにすることは器物損壊ではなく、虐待・殺人と同じなんだと。学校や塾に通う子どもたちに、動物を飼育したり大事にすることで命の大切さを身をもって感じてもらい、例えば将来おじいちゃんやおばあちゃんの介護をするようになったときに思いやりの心、命を大切にすることができるような教育をしていく。

杉本
本当にそうですね。

大島
子どもたちが変わることで、親世代やおじいちゃん・おばあちゃん世代も変わってくると思うんですよ。今お年寄りの方たちが、子どもがいなくなってペットを飼うようになっていますが、「命を大切にする」という意識が子どもたちから伝わっていけば状況も変わってくると思います。世間への発信の仕方について、こういう可能性もあるんだということを考えさせられます。

(次話に続く)