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活動報告

2019-07-04 カテゴリー:

【特集③】動物愛護:杉本彩さんとの対談『いのちを守る』~社会中に溢れる動物虐待への厳罰化を!~

公益財団法人動物環境・福祉協会Evaの理事長を務めておられ、動物愛護活動に尽力されている杉本彩さんとの対談第3話になります。

第1話はこちら!

第2話はこちら!

 

<話し手 :敬称略>
杉本 =公益財団法人動物環境・福祉協会Eva 理事長 杉本彩さん
松井 =公益財団法人動物環境・福祉協会Eva 事務局長 松井 久美子さん
大島 =大島九州男参議院員


<第3話>

杉本
本当に、教育プログラムの中にしっかりと「いのちの大切さ」を感じてもらうことが必須事業としてあるべきだと思いますが、まず先生の間で意識の高低差がすごくあるんですね。やっぱり時々間違った形で学校飼育動物を飼養していたりする。これは本当子どもたちにとって逆効果だと思うんですね。ペットの生体展示販売に然り、ふれあい動物園やショッピングセンターでの移動動物園でふれあいコーナーを設けていたりすると、「好きに動物を扱っていい」状態で、生体に配慮した温度管理や生育状況が整っていない杜撰な状態で展示されている。子どもたちはそれを見て何の疑問も感じることなくわいわい騒いで、「好き放題触っていいんだ」みたいな。ああいった子どもたちへの悪い教育材料が社会中に溢れていますよね。

私たちも、目に入ったり情報が入ってきたものに対しては中止の要望などを地道にお送りしていて、中には「今後一切やりません」というご返答をいただいたりする。開催している側が動物の福祉に対して全く無知で、それ自体が悪いことだったと気付いていない場合も少なからずあるんですよね。

松井
あと、子どもを連れた親御さんたちがそういったものに何の迷いもなく簡単に受け入れてしまう。「〇〇ちゃんちょっとおいで、あなたが好きなひよこがいるわよ、触ってごらんなさい」って。もう鷲掴みで、そのまま下にぼとっと落としちゃったりとかするんですね。ふれあい動物園というのは、触れ合う場所ではなく「触れ合い方を教える」場所だと思うんです。ペットショップにいる子たちも、本当は「可哀想」と思うはずなのに、もうそういう状況に慣れてしまっているから「可愛い」と。親御さんもそうですよね。そういう風に、目に入っても疑問に思われないことが世の中に溢れている気がするんですね。
あと普通の動物園も。

杉本
そういうところって、やっぱり動物を客寄せのためだけに利用しているので、教育的な感覚が全然ないんですね。

松井
よくネオンアクアリウムみたいな、暗いところで綺麗な照明が当たった金魚などの展示がありますよね。本当涼しげで、夜になったらライトアップされてすごく素敵…ってメディアでも報道されてすごく動員数がありますけれども、私たちからしてみたら、あんな過密な場所に入れられて、流木や草などの隠れ場所が全然ないところで四六時中ライトを当てられて…多分ものすごい数死んでるんだと思います。でもそれを見て「わあきれい」「本当に癒された」って、いやそうじゃないよな、と。外国人の方とかはよく結構眉間にしわ寄せて、「なんなのここ」と仰る方もいらっしゃるんですよね。他にも、住宅展示場にライオンを連れてきて、四方に囲まれた檻の中で逃げ隠れもできない状態で「ああライオンだ」と感じてしまう大人たちもすごく罪深いと思います。

私たちがいつも訴えていることは、悪徳な繁殖業者さんだけでなく、虐待下におかれている動物たちを救いたい、救えるような法律にしてほしいということと、いろんなところで起きている動物虐待をなくしたい、それだけなんです。難しいことは一切ない。

杉本
そうなんです。動物虐待を犯した人間に対してやっぱり適性な罰を与えないと、抑止力にならないわけじゃないですか。今だと動物をどんな方法で殺しても実刑にもなりやしない。「動物虐待愛好家」っていう連中がもうたくさんいてですね、ネットで集ってるわけなんですけれども、その中では「どうせ俺ら捕まらないよ」みたいな感じなわけです。埼玉県の元税理士が13匹の猫を虐待し、残虐極まりない殺し方をして動画にアップしていたわけなんですけれども、もう本当にサイコパスですよね。その男に対しても1年10ヶ月の求刑に対して4年の執行猶予がついてるんですよね。なので、やっぱりそもそも法廷権をちゃんとあげて刑罰化していかないと、この問題って適正に取り締まることができないんだろうなと

私たちは動物虐待の厳罰化について請願署名を集めているんですけど、前回は結局特段の理由なしに不採択になっちゃったんですよ(笑)その理由さえ教えてくれないというのが本当に納得がいかなくて。また秋の臨時国会に向けて再度取り組んでいるんですけど。

杉本さんらが取り組んでいる「動物虐待事犯を厳正に処罰するために法の厳罰化を求める請願署名」

大島
お疲れ様です。我々も請願書を提出しても、受理するだけで何の審議もされない

杉本松井
そうなんですよ!本当にそうなんです。

大島
本当に格好だけなんですよね。

杉本
そうなんです。請願ってもう暗黙の了解の中でほぼ受け付けないっていうスタンスなんですよね。
でも署名を集めるのに本当にいろんな方が協力して下さっていて、皆さん貴重な時間を割いて下さって、寒い中街頭に立って一筆一筆集めるんですよね。その一筆ってすごい思いがこもっているわけじゃないですか。ましてやそれを中心になって集めてくれている方って、やっぱりすごいエネルギーだと思うんですね。それをこんなに軽く扱われるなんて、ちょっとどうなんだろうってすごく思います。

松井
請願のあり方みたいなものを、もっと変えていただければと思うんですね。
それまで請願署名の紹介人になって下さる与野党の先生方も、結局委員会・理事会になったときにお話を聞くと、何の特段の理由もなく「不採択でした」ということでした。与党の先生方も、野党の先生方も、って感じで。

大島
全会一致が原則なので、そうなることはよっぽどなんです。で、これはみんなで超党派の議連をつくってその中でやっていくんですけど、これ全て人間関係なので。力を持っている人が「やる」といえばみんなみんな(付いていく)。

杉本
そうなんですよね。

大島
だから世論が盛り上がってくれば。
最近だと、上げ馬神事が話題になったりしていますよね。ああいう動物虐待が、殺人とかにつながっていくんだというようなエビデンスの周知をしていくことが必要だと思います

(次話に続く)